2025年9月11日

販促コンサルタントの岡本達彦です。

「歳末大売出し!今だけお得!」
「どこよりも安い!今すぐお電話ください!」
「絶対に後悔させません!買ってください!」

街で配られるチラシやポストに投函される広告には、
このような「叫び」のような言葉が溢れています。

しかし、正直なところ、これらの言葉を見て
心が動くことはあるでしょうか?

多くの経営者様が
「良い商品なのに、広告で魅力が伝わらない」
と悩んでいますが、その原因のほとんどは、
こうした「売り込み型のコピー」にあります。

現代の賢いお客様は、一方的な売り込みに
うんざりしています。

叫べば叫ぶほど、お客様の心は離れていき、
あなたのチラシは他の広告と一緒に
ゴミ箱へ直行してしまうのです。

もし、「買ってください」と一切書かずに、
お客様の方から
「その商品、どこで買えますか?」
と問い合わせが殺到する広告コピーが
作れるとしたら、知りたくありませんか?

今回は、押し売り感をゼロにし、
お客様の心を自然に動かす広告コピーの
「極意」を、誰でも実践できる具体的な
技術として解説します。

なぜ「買ってください」と書くと、売れなくなるのか?

そもそも、なぜ「買ってください」という
ストレートな言葉は響かないのでしょうか。

それは、私たち人間の心に
「心理的リアクタンス(抵抗)」
という性質が備わっているからです。

人は、他人から「〇〇しなさい」と説得されたり、
行動を強制されたりすると、無意識に反発し、
逆の行動を取りたくなるのです。

「勉強しなさい!」と言われた子供が、
かえってやる気をなくすのと同じ現象です。

「買ってください!」という言葉は、
お客様との間に見えない「壁」を作り、
「売り手 vs 買い手」という対立構造を
生んでしまいます。

私たちが目指すべきは、その壁を取り払い、
お客様が
「これは私のための、有益な情報だ」
と感じ、自らの意思で喜んで読み進めてくれる。
そんなコピーなのです。

お客様が行列を作るコピーの「3つの鉄則」

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

お客様の心を自然に動かすコピーには、

共通する「3つの鉄則」があります。

鉄則1:主語を「私(売り手)」から「あなた(お客様)」に変える

これは最も簡単で、最も効果的な技術です。

チラシに書かれている文章の主語をチェックしてみてください。

「当店は〜」「弊社では〜」「私が〜」といった
「売り手」が主語になっていませんか?

お客様が知りたいのは、売り手の自慢話ではありません。

「その商品が、自分の生活をどう良くしてくれるのか」

ただ一点です。

NG例:「当店自慢!こだわりの豆を使ったコーヒーです!」
OK例:「あなたの一日の始まりが、もっと豊かな時間になるコーヒーです」

NG例:「当社の〇〇技術は、業界No.1です!」
OK例:「この技術で、あなたが長年悩んでいた〇〇が解決します」

主語を「あなた」に変えるだけで、
広告はあなたからのメッセージではなく、
「お客様へのパーソナルな手紙」に変わるのです。

鉄則2:「モノ(機能)」ではなく「コト(未来)」を語る

有名なマーケティングの言葉に
「顧客が欲しいのは1/4インチのドリルではない。
1/4インチの穴である」
というものがあります。

お客様が本当に求めているのは、
商品そのもの(モノ)のスペックや機能ではありません。

その商品を使うことによって得られる
素晴らしい体験や、理想の未来(コト)なのです。

NG例(モノ):「2,000万画素の高画質カメラです」
OK例(コト):「お子さんのかけがえのない笑顔を、
まるで目の前にいるかのように鮮明に残せます」

NG例(モノ):「無農薬の国産野菜をたっぷり使ったランチです」
OK例(コト):「忙しい毎日だからこそ、身体が喜ぶランチで、
心からホッとする時間を過ごしませんか?」

この「コト(未来)」を描くための最高のヒントは、
どこにあるのでしょうか?

それは、実際に商品を使ったお客様の声です。

前回の記事でも触れましたが、
「実際に使ってみて、生活や気持ちはどう変わりましたか?」
という質問への答えに、未来のお客様が
本当に求めている「コト」が眠っています。

鉄則3:「自分で考えた言葉」ではなく「お客様が使った言葉」を使う

これが、コピーライティングにおける最も重要な極意です。

私たちは広告を作る際、つい格好いい言葉や、
専門用語、業界用語を使ってしまいがちです。

しかし、そうした「売り手が考えた言葉」は、
残念ながらお客様の心には響きません。

未来のお客様の心を最も強く、深く動かすのは、
あなたの商品をすでに体験し、感動した「先輩お客様」が使った、
リアルで飾らない言葉なのです。

例えば、あるエステサロンが広告を作るとします。

売り手が考えたコピー:
「最新鋭のマシンとプロの技術で、あなたの理想のボディラインを実現します」

お客様のアンケートにあった言葉を使ったコピー:
「もう履けないと諦めていた、あの頃のデニムが
スッと入るようになりました!(30代・女性)」

どちらが、読み手の心を動かすかは一目瞭然でしょう。

後者のコピーは、たった一言で、サービスの提供する
素晴らしい「未来(コト)」を見事に表現しています。

このような「キラリと光る言葉」は、お
客様アンケートの中に必ず隠されています。

まとめ:最高のコピーライターは、あなたのお客様自身です

「買ってください」と叫ばずに、
お客様が行列を作る広告コピーの極意。
それは、驚くほどシンプルです。

・主語を「あなた(お客様)」に変える
・「モノ(機能)」ではなく「コト(未来)」を語る
・その言葉を「お客様の声」から見つけ出す

つまり、最高のコピーライターは、
有名なプロ作家などではなく、
あなたの商品やサービスを心から
愛してくれているお客様自身なのです。

この方法を実践すれば、広告作りは
「何を書こう…」と白紙を前に頭を悩ませる苦しい作業から、
お客様の喜びの声という「宝の地図」を読み解く、
ワクワクする「宝探し」のような作業に変わるはずです。

今すぐ、お客様からいただいたアンケートやを見返してみてください。

そこに、未来のお客様の心を動かす「魔法の言葉」が、
きっと見つかります。

アンケートをとっていない方はこちらを参考にしてください。

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